障 害 年 金 の 話

― 20歳を迎える皆さんとそのご家族のために ―
 
 

第5章 その他の所得保障制度    

 

2.生活保護 

 生活保護とは、なんらかの理由で十分な生活費を確保できない人に、「健康で文化的な最低限度の生活」を保障するための制度です。

 家族単位で判定するのが基本ですが、この場合の家族とは屋根と釜と財布です。

 

 つまり、一緒に住んでいるか、一緒に生活を営んでいるか、生計を一にしているか、で判断されます。

 知的障がいの方がグループホームに入居して、費用も自分で負担する場合、屋根も釜も財布も別になりますから知的障がいの方の一人暮らしと判断されます。

 

 ですから、別に親がいても単身者として生活保護を受給することができます。

 単身者の基準生活費は、年齢等によって異なりますが、家賃込みで約120,000円。

 ここから、年金収入や給料、仕送りなどを差し引いて、足りない分が生活保護費として支給されます。

 

 生活保護については国や自治体がほとんど広報していませんので、世間には様々な誤解があります。

 「持ち家に住んでいたら受けられない。」、「働いていたら受けられない。」、「別居でも親がいたら受けられない。」、いずれも間違いです。

 本来なら障がい者のための所得保障の充実が望ましいのですが、現在の日本には年金も含めて十分な所得保障制度がありません。

 

 そのために、親なき後や親元から離れて暮らす障がい者は、生活保護を権利として活用することで自立への道を切り開いて来たのです。

 生活保護は恩恵ではなく権利だということを、声を大にして言いたいです。

 

     
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